はじめましての方へ

初めまして!きゅうけん編集長の山口健太です。

このページでは、初めて「月刊給食指導研修資料(きゅうけん)」に訪れた方向けに、

  • きゅうけんとは?
  • ご活用方法
  • 立ち上げの経緯
  • 目指す未来

についてお伝えしています。

きゅうけんとは?

「月刊給食指導研修資料(きゅうけん)」では、主に教育者に向けて、給食指導についての情報を毎月無料で発信しています。

特徴としては、分かりやすい1枚のイラスト付きの資料に情報をまとめ、さらに詳しく学びたい方のために資料の内容を文章でも詳しくお届けしています。

きゅうけん発行イラスト付き資料「先生でもわかる会食恐怖症」のキャプチャ

第1回目のイラスト資料「先生でもわかる会食恐怖症」


こちらに資料はWeb上で無料で公開しておりまして、用途に応じてご自由に使用していただけます。

ご活用方法としては、

  • 園内・校内研修の資料に
  • 先生同士の話のネタとして
  • 先生から保護者への情報提供ツール
  • 保護者から先生へ子どもの状況を説明する際に
  • 給食だよりや保健だよりの参考に…

などを想定しておりますが、プレ公開期間から、先生に限らず多くの皆さまよりご好評をいただいております。

立ち上げの経緯

これまで色々なところで「なぜ、きゅうけんを立ち上げたのか?」についてお伝えすると、多くの方が共感してくれています。

このページでも、以下よりお伝えさせていただきますね!

まず、私(編集長・山口)が、不安障害の会食恐怖症(他人とごはんを食べることができない)に学生の頃に悩み、その時に「食べられないことを理解されない辛さ」を味わいました。

これに関しては「会食恐怖症“一緒に”食べられない僕はダメですか?(NHK公式メディアより)」などでも取り上げていただいているので、詳しいストーリーはそちらに譲りますが、その経験から「食べられない」という事に対しての支援活動をしてきました。

具体的には、

  • 「今現在、自分が食べることができない当事者」
  • 「今現在、食べない子に悩んでいる教育者」
  • 「仕事で偏食等の対応が必要な方(栄養士さん等)」

などから、食べられないことに関する悩み相談を延べ5000件以上。数多く乗ってきました。

食べない子が変わる魔法の言葉

編集長・山口健太の著書の1つ。韓国でも翻訳出版されている。

食べられない当事者から届く声

その中で、今の時代では、子どもたちからも直接、メッセージが届きます。

以下、実際に届いたリアルな声を読んでみてください。

私のクラスは完全完食(時間内に完食する)を目指しているのでものすごく残しづらいです。その日はやはり食べ切れなくて残してしまい、先生に言うとすごく嫌そうな顔をして「今日は残した人がいるので完全完食できませんでした」とみんなの前で言われました。その日から給食がとても怖くて、いつもなら次の日は大丈夫なのに夏休みに入るまでずっと辛いままでした。
サッカーの合宿で、ご飯をみんなで食べるのですが、量が多く残すと厳しく怒られ晒されます。試合にも出して貰えなくなります。これまで3回、嘔吐をしてしまって、いつも監督に監視されながら、食べています。とてもストレスで、ご飯という言葉を聞くだけで辛いですし、学校の給食でも、妄想をしてしまっていつも誰かに見られている感覚になります。突然震えたりなどで、会食をするということが恐怖でしかありません。今現在中学三年生で、進路の話もされ「ご飯を食べれないやつなんかに高校を推薦できるか。」と言われてしまいました。どうにかして、会食を楽しくしたいですし、震えなどの症状が起こらないようにしたいです。

こういった声が届くたびに私はこれまで、先生に声を届けられていないという自分の無力さを痛感し、打ちのめされるような気持ちになっていました。

お父さんお母さん・先生から頂いた声

また、食べられない子に悩む、親御さん(お母さん・お父さん)の相談にも沢山乗ってきました。

親として最初に辛いのは「子どもの性質(なぜ、食べられないのか?)を理解出来ないこと」で、次第に毎日の食事や子育て全般が辛くなっていくことです。

そして、色々と勉強したり、工夫をしてみてようやく、お子さんのことが理解できてくるのですが、次にくるのが「周りに理解されないという辛さ」だと語る方が多かったのです。

それは例えば、

  • 他の家族に理解されない…
  • 園や学校の先生に理解されない…
  • お友達にもあまり理解されない…

等、そういう相談もたくさん受けてきました。

また、園や学校の先生の相談に乗ると、

「子どもにとって無理なく残飯を減らしたいけど、どうすれば良いか分かりません」

「他の先生や園(や学校)全体に対して、どういうアプローチをすれば良いか分かりません」

という相談も多く、一番印象的な声として「私が子どもの頃、学校の給食時間がとっても楽しみで大好きでした。でも、今はそうではありません。なんとか残食を減らさないと、周りの先生から色々と言われてしまいます。なので毎日の給食が苦痛なんです…。」と話してくれた中学校の先生のものがありました。

こういった事からも、先生にとって提供される情報の少なさ等に大きな問題があると感じていました。

「給食指導教育」の現状

実際にそれを裏付ける調査データもあります。

とある論文によりますと、教育志望の大学生が「大学で食育で授業を受けたことがあるのは15%」と少数*1かつ、大学で「給食指導の授業があった方が良いと答えた生徒は79%」にのぼるという調査*2があります。

また、埼玉県の市立小学校の先生に向けた調査*3によりますと「給食指導で参考にしていること」として挙がったのは、

  • 1位-自分自身が家庭で受けた教育…59.6%(272/459人中)
  • 2位-自分自身が小学校の時に受けた給食指導…45.6%(208/459人中)
  • 3位-栄養教諭・学校栄養職員と相談…37.7%(172/459人中)

であり「研修」や「勉強会」が関連した答えの最上位としては、

  • 6位-校内研修…12.9%(59/459人中)

と、非常に低い割合となっています。

このことから、半数以上のケースでは「先生の過去の体験」が給食指導のベースとなっている事が分かり、しっかりと学習する機会がないことが分かります。

ですから私たち「きゅうけん編集部」は、これまで食育についての学習機会が無かったり、あるいはあまりそういった時間を取れない忙しい先生でも、直感的に理解できるように1枚のイラスト資料という形で。

そしてより多くの先生たちの手に届くように、Web上で無料公開しています。

目指していきたい未来

私たちは「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という、ビジョンを掲げ活動をしています。

私自身は、「食べられないことはわがままではなく、その人なりの理由があり、適切な支援もある」ということを世の中に伝えていく事に、命を懸けて取り組みたいと思っています。

そして、編集部メンバーは、主に保育士・学校栄養士・管理栄養士・医療関係者・食育専門家・心理カウンセラー・当事者経験者やその保護者・給食業務従事者などで構成されており、多角的な情報発信を心がけています。そして、みな共通の熱い想いを持ったメンバーでありながら「明るく・楽しく・暖かく」を活動方針として活動しています。

実際に作成しているのは1枚の資料かもしれません。ですが、それが広がった先に、楽しく食べる大人と子どもたち。そしてそこから更なる社会の幸せが作られていくというイメージを持っています。

私たちの力だけでは、まだまだ力不足の部分もありますので、ぜひ応援していただければ幸いです。そして広く活用していただければ大変嬉しく思います。

きゅうけん編集長・山口健太

編集部メンバーについてはこちらのページをご覧ください。

参考文献:
*1上田由喜子,小橋麻衣,山下治香,他.教員志望学生の食育に対する意識.日本食育学会誌.2014
*2鈴木洋子.教員養成課程における学校給食に関する指導の必要性─教員志望学生及び小学校教員の給食指導に対する意識からの検討─.奈良教育大学紀要..2015
*3福岡景奈,赤松利恵,新保みさ,小学校における学級担任による給食指導:―栄養教諭・学校栄養職員と相談している教員の特徴―.2017