給食指導が職員間でバラバラになっていませんか?【2025年5月】

月刊イラスト付き資料

毎月、先生や保護者のために、給食指導や子どもの食に関する情報を分かりやすいイラスト付きの図解資料1枚にまとめ、さらに詳しい解説を文章でもお届けします。

資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料として活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(図解資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下をチェック!)

今月は、給食指導の方針を園内・学校内で共有する際に大切なポイントを解説しました。

このポイントが踏まえられていないと、同じ目標を共有しているはずなのに、クラスによって指導方法がバラバラになり、子どもや保護者が不安になることがあります。

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担任の先生やクラスによって給食指導は多少異なるものです。全てを統一することは難しいですが、対応があまりにも違うことによって、子どもや保護者が不安になることもあります。

給食指導においては「目標」だけではなく、そのための「考え方」や「対応」まで共有することが大切です。

なぜ「考え方」と「対応」の共有が必要?

たとえば、園や学校の目標が「子どもの食を広げよう」だった場合。

先生によっては考え方が違えば、

・A先生「それなら、楽しい雰囲気を大切にしよう!」

・B先生「それなら、残さず食べさせなければいけない!」

というように、具体的な対応が異なってしまいます。

また、このようにバラバラな状態を放置していると、新しい年度や先生が変わったタイミングで「前の先生はこうだった」「隣のクラスではこうなのに」など、子どもや保護者から反発が出ることもあります。すると、結果的に時間をかけて指導のやり方を浸透させなければならないなど、クラス担任側の負担が増えることにもつながります。

ですから「楽しく食べられる雰囲気を大切にする(考え方の例)」、「スモールステップで苦手な食べ物はにおいを嗅ぐことからでOK(対応の例)」というように、考え方と対応についても普段から共有することが大切です。

バラバラなのは子どもにとって怖いこと

一旦、子ども目線で考えてみましょう。

子ども目線に立つと「自分は同じ振る舞いをしているのに、先生によって対応が変わる」ということは、のびのびと過ごせない不安要素の1つになります。

先生によって対応がコロコロ変わる
→自分の振る舞いによって先生はこういう反応するという見通しがもてない→どうすればいいかわからず安心できない

先生によって基本的な対応が同じ

→自分の振る舞いによって先生はこういう反応をするという見通しがもてる→どうすればいいかわかり安心できる

ですから、”バラバラ指導”を減らすように心がけることで、園や学校において安心して子どもが過ごせることにも貢献できます。

職員間で積極的に共有しよう

バラバラにならないためには、積極的な共有が必要です。

研修を導入するのもオススメですが、園や学校の責任者、給食指導に責任のある立場の者(保育園栄養士や栄養教諭など)が積極的に他の職員に情報を共有することが望まれます。

その際に「きゅうけん」の資料を共有するのもおすすめですが、あなたが大切だと思う指導の考え方や対応を1枚のプリントにまとめて配布するのも良いでしょう。

以下はその時の例文です、必要に応じて参考にして自分なりの言葉にしてみましょう。

【食べられない子への給食指導の方針として】

残食ゼロを目指すのではなく、食べることを楽しいと感じてもらうことを優先します。

「残したら怒られるかもしれない」という不安が強くなると、食欲が減退してしまう場合があります。

食べられない子が食べられるようになるためには、

1.安心して過ごせる環境を作る
2.子どもの状況や食べない理由を適切に把握する
3.無理強いせずにスモールステップで勧める

そのような関わり方が大切です。

給食に苦手意識のある子は毎年、一定数います。

本校の給食を通して、子どもが食べること自体が好きになり、感謝できるようになるようにサポートをしていきます。

日々の給食指導でお困りの際は、ぜひ気軽にご相談ください!ご協力お願いいたします。

※後日、こちらの例文を元にしたサンプル資料を配信予定です。更新した際は「きゅうけんマガジン」でお知らせします。

保護者にも共有しよう

また、保護者にも普段のやりとりや「給食だより」などを通して、考え方や指導の方法(対応)を共有することもオススメします。

今年も入学説明会の時期に、新1年生の保護者の方からいただいた不安の声として、

「なるべく家で好き嫌いをなくしてきてくださいと言われ、これ以上どうすればいいんだろうと思った」

「給食時間は短いから、早く食べられるようにトレーニングしてきてくださいと言われ、4月から不安になった」

「うちの子は好き嫌いが多い(その他、食が細くて食べられない)から今から給食のことが1番心配」

というものが多かったです。

先程の例文を参考にした「給食だより」を配信するなど、このような不安を解消をする発信を先生側、園・学校側からできると、子どもも親も安心できますね。

最後に

今月号はいかがでしたか?

先生によって給食指導に多少のバラつきがあるのは仕方がないことかもしれません。

しかし、あまりにも差が大きすぎたり、隣のクラスで真逆の方針になったりしてしまうと、子どもも保護者も不安になります。また、反発が出てしまうとその対応をする必要に迫られ、結果的に先生側の負担が増えることになってしまいます。

まずは「きゅうけん」の資料を職員会議で回覧するところから始めるのがオススメです。以下に3つ厳選して職員間で共有しておきたい内容のきゅうけん資料を載せておきますね。

Vol.5 食べない子になんて声をかけたらいい?

Vol.22&30 給食指導の声かけ変換表(1)(2)

Vol.45 給食での不適切な保育やトラブル回避!11の重要項目

p.s.
「きゅうけん」も遂に49号の配信となり、来月の6月号で遂に50号になります。

「きゅうけんマガジン」に登録していただけると、これまでの資料全てを一括閲覧・ダウンロードすることができますので、必要に応じてご活用ください。

いつもご愛読いただき、ありがとうございます!

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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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