クラスに約4人も?給食が「かなり苦手」な子どもの心境【2021年5月】

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今月は「給食が”かなり苦手”な子どもの心境」をテーマにしてお届けします。

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給食がかなり苦手な子の割合

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(株)日本教育資料が2020年12月、全国の男女1000人に対してインターネット上で行ったライフスタイルに関する調査*1によると「他人と食事をするのに苦手意識はありますか?」という問いに対して「かなり苦手意識がある」と答えた割合は12.1%(1000人中121人)でした。これは小学校のクラスに換算すると、1クラスに約4人が該当することになります。
他人と食事をするのに苦手意識がありますか?調査結果
給食においても同じように考えてみると、クラスの中に「給食にかなり苦手意識があると感じる子どもがいる」ということも想像に及びますし、以前「先生でも分かる会食恐怖症」で紹介したように、給食での完食の強要があったことをきっかけに他人との食事が苦手になるケースもあります。

「子どもの頃、給食の時間は楽しみだったな〜!という先生ほど、「給食は子どもにとって楽しいものだ」という前提があるかもしれまませんが、その前提が当てはまらない子も多いのです。」少し気に留めておくだけでも違うと思います。

子どもの給食が嫌い、苦手な理由

その他、学校給食に関連するさまざまな調査*2*3*4でも、給食が「嫌い」という回答は一定数以上あり、決して無視はできない数字です。「給食が嫌い・苦手」と感じる理由として、以下のようなものが挙げられています。

  • 「嫌いなものがあるから」
  • 「量が多いから」
  • 「給食の時間が短いから」
  • 「味や匂いが苦手」
  • 「冷めていておいしくない」
  • 「おなかが空かない」…等

子どもの目線から挙げられる場合は上記のような声になるのですが、以前「子どもが食べられない3つの理由」でも取り上げたように、実際のところはしっかりと食べられない理由があり、食べられるように導くためには、それに応じた適切な支援が必要になります。

また「担任の先生がどんな給食指導をするのか」で、給食が嫌に感じるかどうかが、大きく変わると子どもたちは言います。

具体的には給食に対して苦手意識があればある子ほど「残さず食べることを重視する」という指導方針の時に、給食が嫌だと感じやすいようです。これは自分の持っている力に対して、目標が大きすぎる場合には挫折を感じやすく、それに取り組むこと自体が嫌になってしまう状況と似ていると思います。たとえば、小学生に大学生のテストを出題しても、難しすぎてそれ自体に取り組む意欲が無くなってしまうでしょう。挑戦させることは悪いことではありませんが、そのハードルが高すぎないかどうかをしっかりと考えることが、子どもたちの成長につながります。

給食が苦手な子の1日の心境

ここでもう少し具体的に、給食が苦手な子の心境に迫ってみましょう。

今回は実際に「給食がかなり苦手・嫌いだ」という子に対して、1日の心境の変化についてインタビューをしてみて、時系列でまとめてみました。

給食が苦手な子の1日の心境の変化

子どもの頃に給食がかなり嫌だったという方からすると「わかるわかる!」と共感できるところがあると思います。

一方で、子どもの頃は給食が好きだった方からすると「え、こんなに嫌なの…」と驚かれるかもしれませんね。

給食が苦手な子の共通点として「過去に周りの大人から、食べられなかったことに対して強く怒られた経験がある」ことがあったり、特徴として「他のみんなは給食を楽しみにしているのに、自分だけ楽しいと思えないのは変だ」という前提から、苦手なことを隠そうとしている場合も多いです。言わない(言えない)で苦しんでいる子が多いのだと、事前に知っておくことも大切になるでしょう。

まとめ

「給食は子どもにとって楽しいもの」と思いがちですが、実は「給食がかなり苦手な子どもがいる」ということがわかりました。

苦手と感じる理由としてはさまざまなものがありましたが、食べられる量や食べるスピードも一人一人違いますので、給食の時間が苦手な中でもリラックスして過ごせるよう個々に合わせた関わりを意識してみましょう。

上記は、以前の記事より抜粋した内容ですが、さらに具体的に先生として「給食時間どのように関わればいいのか?」について知りたいと思ったかもしれません。

そちらが気になる方は「【図解】食べない子になんて声をかけたらいい?」をご覧ください。

参考文献:
*1株式会社日本教育資料.ライフスタイルに関する調査報告その1.2020
*2岩見沢市教育委員会.学校給食児童生徒アンケート調査結果報告書.2013
*3知立市教育委員会.知立市学校給食センター.食生活・給食アンケート結果.2016
*4鹿屋市立南部学校給食センター.学校給食アンケート調査結果報告書.2017

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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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