毎月、先生や我が子の給食に悩む保護者のための給食指導に関する情報を、分かりやすく1枚のイラスト付きの図解資料にまとめ、文章でも詳しくお届けします。
資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料としてご活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下にあります。)
今月は、牛乳を飲むと体調を崩してしまう「乳糖不耐症の子への対応」についてです。
園や学校(先生)側と保護者側のどちらにもわかりやすく解説しましたので、以下よりご覧ください。
- 牛乳を飲むと体調不良になる乳糖不耐症
- 近年はアレルギー対応と同等に扱われることが多い
- 園や学校(先生)側と保護者側に必要な対応を解説
乳糖不耐症とは?
※Vol.43乳糖不耐症で牛乳が飲めない子の対応のPDFはこちらから保存・ダウンロード
「乳糖不耐症」によって、牛乳を飲むと体調を崩してしまう子がいます。実際に、乳糖不耐症が理解されず、学校で牛乳を強要される事例がありました。
乳糖不耐症とは、ラクターゼという消化酵素が不足しているために、牛乳などに含まれている乳糖を消化できない状態のことです。生まれつき、または一時的、あるいは加齢によって発生します。
重症の場合は、下痢・腹痛・吐き気などの身体症状を引き起こします。
給食での対応
近年は、保育園や学校での給食においても、アレルギー対応と同等に扱われることが多いです。
以下より、
- 園や学校側に求められる対応
- 保護者側のとして必要なこと
をそれぞれみてみましょう。
園や学校側の対応
⚫︎主な対応の例
→除去(牛乳を給食に提供しない)
→代替(豆乳など代替品を提供する)
※除去の場合は、その分の給食費が返金される場合もあります。
保護者がやるべきこと
除去や代替品の提供の対応をしてもらうために必要なこと
(1)小児科などにかかり、医師からの診断書をもらう
(2)診断書と一緒に、園や学校側に相談や申請書を提出する
乳糖不耐症は程度がある
乳糖不耐症は日本人の約8割が該当すると言われいます。
その症状の程度には個人差があり、自覚症状がない軽度の場合もあります。一方で重度の場合は、飲んで30分経った後など、すぐに症状として現れることがあります。
また、牛乳に限らず「これを食べると(飲むと)、体調を崩すかも・・・」という食べ物・飲み物には、苦手意識を持ちやすくなります。
子どもが苦手な食べ物に対しては、無理強いをしないことが大切です。
牛乳を少しずつ飲めるようになるには?
給食には牛乳がつきものですが、アレルギーや乳糖不耐症ではなく“単純な苦手や嫌い“の場合に、牛乳を飲めるようになるのでしょうか?
結論からお伝えすると「好きな感覚」をヒントにすると、だんだん牛乳を飲めるようになっていくことが多いです。
具体的なサポートの方法としては「【事例】給食で牛乳が飲めない子どもの支援と実践」という事例記事を以前作成しているので、こちらが参考になります。
また、牛乳は特に温度によって、味も変化しやすく、その点に配慮すると少し飲みやすくなる可能性も高いです。(冷たい牛乳と、常温の牛乳と、温めた牛乳では、味や風味が大きく変わります)
牛乳に限ったことではありませんが、苦手に無理に挑戦させるのではなく、好きな感覚を大切にして、それをヒントに広げていくことが大切です。
この考え方については「【図解】感覚的な問題からくる偏食への指導①&②」を一度読んでみると、理解が深まります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「乳糖不耐症で牛乳が飲めない子」の対応について、先生側や保護者側のどちらにもわかりやすく解説していきました。「乳糖不耐症」の話題が出た時に、本資料のことを思い出して、見返してみましょう。
また、文中でも紹介しましたが、牛乳が飲めないことに関する記事として「【事例】給食で牛乳が飲めない子どもの支援と実践」という記事も読んでみることもおすすめです。
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