【図解】おやつしか食べない子どもにどう対応したらいい?【2025年2月】

きゅうけんサムネ46 月刊イラスト付き資料

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今月は偏食の子によくある「おやつしか食べない」という内容についてを取り上げます。

保護者によくある悩みですが、対応の仕方については他の場面にも応用ができるので、先生にとっても大切な内容です。

おやつしか食べないことで心配される影響


Vol.46「おやつしか食べない子にどう対応したらいい?」はこちらから保存・ダウンロード!

子どもがおやつばかり食べたがると、大人は栄養の偏りを心配するものです。

具体的には偏食が助長されること、それにより栄養バランスが乱れ、心身の成長に悪影響を及ぼすことが心配になります。

それが続くと大人は「このままで大丈夫だろうか」という気持ちが湧き上がり、ごはんを食べないことにイライラしてしまうこともあります。

また「ごはんもしっかり食べてほしい!」という思いから、つい無理に食べさせてしまうこともあるかもしれません。

しかしそれがかえって逆効果となり、子どもがますますごはんを嫌がるなど、負のスパイラルに陥ってしまい、頭を悩ませてしまうことも…。

一体、どう対応すれば良いのでしょうか?

どう対応したらいい?

ここから対応について

  • 心構えと大切な前提
  • 理想的な対応
  • 現実的な問題

という点からお伝えしていきます。

心構えと大切な前提

心構えと大切な前提
子どもがおやつばかりを食べ、ごはんを食べない状況に対応するには「食べる選択における2つの重要な前提」を理解しておく必要があります。

その2つ前提の1つ目は「どんな食事を用意するかは大人が選択する」というものです。

この前提がないと大人の主導権が失くなりm子どもの要求に振り回されることになり、偏食を改善するのが難しくなってしまい、より悩みが深刻化してしまいます。

そして2つ目は「用意された食事を実際に食べるかどうかは子どもが選択する」というものです。

この前提がないと「食べさせるのは大人」という気持ちが強くなり、子どもに食べることを無理強いしてしまう可能性が高くなります。そうすると、食事自体が嫌いになるだけではなく、事故やトトラブルを招くことにもなりかねません。

「最終的に食べるかどうか」に関しては、子どもの意思を尊重しつつ、どんな食べ物を用意するかは、大人が主導することが大切です。

理想的な対応は?


では「おやつしか食べたがらず、その要求が激しい」という場合、大人はどういう対応をしたら良いのでしょうか?

ポイントは、

  1. ルールを伝える
  2. 不快な感情を認める
  3. 子どもの葛藤を見守る
  4. 約束を守る

という4つです。

この場合では「もっとおやつを食べたい!」と、泣いて要求する場合を例にとって解説していきます。

まず「今日のおやつはこれでおしまいだよ」と、ルールを明確に伝えるようにします。

その上で子どもが「もっと食べたい!」と泣き叫んで要求した時には、「おやつをもっと食べたかったんだね」と子どもの不快な感情を受け止めることが大切です。

一方で、最初に決めたルールは変えてはいけません。

すると、子どもはさらに強く泣き叫びますが、大人は要求に応えずに見守るようにします。

そうして時間が経つことで「もう今日はおやつをもらえない」と、子どもも次第に現実を受け入れていきます。

この「葛藤して時間の経過と共に気持ちを収める」という経過があることで、子どもは「自分の不快な感情に対してコントロールする力」が身につくのです。

でも現実は…

一方で現実問題としては、

「泣かれるとイライラしてしまうので、ついお菓子を与えてしまう」

「偏食だからおやつくらいしか食べてくれないと感じている」

「すでに習慣化してしまい、今すぐに変えることが難しい」

など、すでにその習慣が固定化されていることも多いです。

こういった場合には、どう考えたら良いのでしょうか?

具体的なお悩みへの回答

よくあるお悩み
まず大切なのは、最初から完璧を目指さないこと。

いきなり変えようとせずに、少しずつ変えるイメージを持つことです。

その上で、もう少し具体的に解説していきます。

要求にイライラしてしまう場合

泣いて要求する子どもに、イライラしてしまうことがあるかもしれません。

ただ、子どもが泣くこと自体は大切な感情表現の1つであり、悪いことではありません。ですから、泣くのを無理に止めさせようとしなくて良いのです。

むしろ泣くことが許されて、それを時間を使って自分で解決していくことで、不快な感情をコントロールする力が身につきます。

とはいえ、子どもが泣くことに対して不快に感じ、耐えられない気持ちになる場合もあるかもしれません。

では、なぜ不快に感じてしまうのでしょうか?

もちろん周りの目が気になるという場合もありますが、自分自身が子どもの頃に、大人に「泣いているんじゃない」と怒られたなど、感情の表出を制限されてしまった経験があったり、「泣くのはダメなこと」や「大人が子どもの気持ちを収めるべき」などと考えていたりする場合があります。

実は、子どもの気持ちが収まるのを待つためには、大人側が自分自身の不快な感情をコントロールできることが必要なのです。

「不安や葛藤などのネガティブな感情は、あってもいいもの」

まずは大人自身がそう考えるようにすると、次第に受け入れられるようになっていきます。

偏食だからおやつしか食べてくれない場合


偏食でおやつしか食べてくれないことにより、栄養面が心配になり「せめて、好きなものだけでも食べてほしい」という考えから、おやつを与えてしまうケースはよくあります。

これは子どもへの心配からくることなので、大人を責めても仕方がありません。

一方、現実的に偏食の改善を考えると「いま食べられているものを減らす(この場合はおやつを減らす)」ことをしない限り、それ以外のものを食べられません。

「偏食改善は先に減らすことから考える」は、鉄則です。

詳しくは「子どもも親もラクになる偏食の教科書」から7つのポイントを紹介の記事をお読みください。

変えるのが難しいと感じる場合

この習慣が固定化してしまうと、今すぐ変えるのが難しいと感じるはずです。

そう感じるのも無理はありません。

しかし、意外と対応を変えてみると、短くて2〜3日、長くても1週間ほどで好転することが多いです。

いちばん簡単な対応は、予めおやつを必要以上に用意をしすぎないこと。

家であれば買い置きするのをやめたり、子どもの目の届かないところに保管をするなど、要求をされても「もうないよ」と言える環境を作ることが重要です。

もちろん、ごはんの時間を楽しめるよう子どもが好きなものを用意したり、日常の中でおやつ以外の楽しみな遊びの時間を増やすなども有効になります。

ぜひ参考にしてみてください。

最後に

今回の記事はいかがでしたか?

「おやつを食べ過ぎてしまう」、「特定のものを食べ過ぎてしまう」という場合は、今回の対応を参考にしてみましょう。

また解説記事の中でお伝えした「食べる選択における大切な2つの前提」は、とても重要な考え方です。

「どんな食事を用意するかは大人に主導権があり、それを食べるかどうかは子どもに主導権がある」

さまざな場面で重要な考え方なので、ぜひ大切にしてください。

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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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