「子どもも親もラクになる偏食の教科書」から7つのポイントを紹介【2023年12月】

子どもの偏食改善7つのポイント 月刊イラスト付き資料

毎月、先生や我が子の給食に悩む保護者のための給食指導に関する情報を、分かりやすく1枚のイラスト付きの図解資料にまとめ、文章でも詳しくお届けします。

資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料としてご活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下にあります。)

今月取り上げるのは 「子どもの偏食改善、対応の7つのポイント」です。

つい先日、きゅうけん編集長の山口健太による新著子どもも親もラクになる偏食の教科書(青春出版社)が出版されました。

偏食の教科書

今回のイラスト付き図解資料では、その書籍の内容を一部抜粋し掲載。解説記事ではさらにもう少し7つのポイントを掘り下げます。

偏食の子に対して「どんな対応をすれば良いんだっけ?」と分からなくなった時に、ぜひ思い返して読んでみてください。

子どもの偏食対応の7つのポイント

35-偏食改善 対応の7つのポイント-1
「偏食改善 対応の7つのポイント」のPDFはこちらから保存・ダウンロード

以下より7つのポイントについて紹介し、深掘りしていきましょう。

食べられない理由を知ることから始めよう

理由がわからないまま対応すると、頑張っても報われない負のループにはまります。

子どもが食べられない3つの理由・簡易版

書籍の中では上記の3つの理由に加えて「時間と量の問題」という、主に家庭での習慣の問題についても触れています。

理由がわからないという場合、きゅうけん記事でも「食べられない理由がわかる、フローチャート&チェックリスト」という記事を作成していますので、そちらを活用していただくのがおすすめです。

安心できる食卓、楽しい食卓づくりが何より大切

食べることが「楽しい」と感じられなければ、食は広がりません。
楽しい食事が食を広げる

そして楽しいの土台には「安心」があります。安心できる環境や関係だからこそ、楽しいという気持ちが生まれるのです。

安心を作るには「食べることに苦痛を感じていないかどうか」を先に考え、苦痛を取り除くことを優先していきます。

苦痛を感じる例
・完食をしなければいけないというルール
・食べる時間が短すぎる、長い(いつまでも食べさせられる)
・一緒に食べている人の関わり方や声かけ…等

食べる機能に問題はないか?

特に、今の口腔機能の発達と食形態にミスマッチが起きていないかを確認しましょう。
幼児期の口腔機能獲得の順序の図表
こちらについて詳しくは「【図解】子どもの食事に時間がかかる1番の原因?機能的な問題について」の記事で解説していますので、ご覧ください。

提供量では「引き算」がポイント

好きな食べ物の提供量を減らして、子どもにとって「好き」以外のものを食べる”理由”を作ります。

好きなものばかりでお腹がいっぱいになる(脳が満足してしまう)と、それ以外のものを食べる理由がなくなります。

子どもが食べる順番や支援ポイント> ①好きなものから食べようとする 支援のポイント:好きなものだけでお腹いっぱいにならないことが大切です ②食べられそうなものを食べる 支援のポイント:「見た目」を食べられそうなものにすると手を伸ばしやすいです ③その他の気になる物に触れる 支援のポイント:遊んでいると思って、怒ったりしないことが大切です ④まだお腹が空いていたら、口に入れることも 支援のポイント:食べてみたら?の提案は大切ですが、強制は禁物です。 ⑤触っても口をつけない状態が続いたり、遊んだり、立ち歩く 支援のポイント:この様子が見られたら片付けても構いません"

好きなものを食べても「まだ食べたいな」と思ってくれると、それ以外のものに手を伸ばしてくれやすいです。

好きな感覚から広げていくのがベスト

苦手な感覚のものをいきなり食べられるようにはなりません。感覚の問題で食べられないときはまず、好きな感覚から広げましょう。

偏食を改善に導く大切な考え方

詳しくは「【図解】特別支援学級にも多い?感覚的な問題からくる偏食への指導①&②」の記事でみっちり解説していますので、こちらをご覧ください。

食べる時間と食べられない時間を明確にする

食事の時間・おやつの時間、時間に区切りをつけないと、偏食は改善しにくいです。言い換えれば「いつでも食べられる状態」というのは良くないということになります。

例えば「焼肉90分食べ放題」だからこそ「その時間内にたくさん食べよう!」という心理が働きますよね。食べる時間(食べられない時間)が明確であるからこそ、食欲が湧くのです。

調理の工夫は最低限からでOK

調理の工夫、ポイントはそれぞれありますが、できる範囲で続けることが大切です。

「何を食べさせるか」よりも「どう関わるかが先」と、私は講演会や研修会の中でよくお伝えしています。

調理の工夫に目が向きすぎて、それ以外のことがおそろかになってしまわないように気をつけましょう。「大人が楽しく食べること」も立派な1つの対応です。

偏食改善における調理の工夫に関しては「感覚的な問題からくる偏食への指導②」の記事にて解説しています。

最後に

いかがでしたか?

本記事は『子どもも親もラクになる偏食の教科書』(青春出版社)の中で、ほんの2ページ分(140-141ページ)を抜粋した内容になります。

まだまだお伝えしたい内容はありますが、対応に迷ったときはまずはこの7つのポイントを振り返ってみましょう。

そして、子どもの偏食改善についてより理解を深めたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

図解も多く、とても読みやすく、分かりやすい内容に仕上がっています。

▼合わせて読みたい

【図解】野菜が嫌いな子どもが食べられるようになる方法【2023年6月】
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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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