食事を残す子どもにどう対応すればいい?【2023年4月】

きゅうけん27サムネイル 月刊イラスト付き資料

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今回は「給食を食べすに終了を待つ子ども」への声かけや対応がテーマです。給食に限らず家庭でも「食事を残す子ども」に対しての対応のヒントになるので、ぜひお読みください。

  • どんな対応をしたら良いかはその子によって変わる
  • ヒントになるのは「SOSサイン」が出ているかどうか
  • 「個々のペースでステップアップ」が大切

●その他、本テーマに関連する解説記事はこちら

▶︎子どもへの食事における声かけ変換表

▶︎【調査結果】「残してもいい」が子どもの食欲増加に

食事を残して「ごちそうさま」を待つ子

きゅうけん「給食を食べずに終了を待つ子どもへの対応」イラスト付き資料
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近年、給食指導で「無理して食べなくてもいい」という方針が大切にされています。そんな中「給食がまだ残っているのに、食べようとせずに終了を待つ子がいて対応に困る」という声を先生からよく聞きます。
食べない 給食 イラスト 子ども 先生
「もっと食べることを促すべきなのか」それとも「このままでいいのか・・・」あるいは違う対応が必要なのか?具体的にはタイプやその子の状況で変わります。

今回は、そんな子たちへの対応についての大切なポイントをまとめました。

SOSサインを確認してみよう

「食べようとしない」と言っても、いろんな理由や状況の違いがあります。「まずはSOSサイン(ピンチサイン)が出ていないかを確認しましょう。

食べない子のSOSサイン

「吐き出す、泣き出す」などは分かりやすいですが「無表情になる、口数が少なくなる」などは一見分かりにくいSOSサインです。
食べない子どもの様子をチェック
また、ここで挙げたもの以外でも「チビチビ食べている」とか「声をかけても反応が薄い(余裕がない)」等もSOSサインになり得ます。

SOSサインについて詳しくは、過去記事「【図解】子どもが食事中に出すSOSサインとは?」で取り上げているので、ぜひ一度読んでみてください。

SOSサインが出ている子の場合

SOSサインが出ていない図解
「無理しなくてもいいからね」等、安心できる声かけをすることが大切です。

こういった場合は、食べられていない事への注目が集まると、さらに食べられなくなることがあります。

過度な注目が向かないように、さりげなく確認したり、こっそりと声かけしてあげるなどの配慮をすると、子どもとしては助かります。

SOSサインが出ていない子の場合

SOSサインが出ている図解
様子を見ながら、積極的に声かけをしてみましょう。

食ベていない理由を聞いてみたり、ひと口が難しいようでしたら「においだけ嗅いでみたら?」「ぺろっとだけしてみたら?」などスモールステップで勧めてみましょう。
食べない子が食べられるまでのステップの解説図
食べることを促す声かけ・注意な声かけについては「【図解】食べない子になんて声をかけたらいい?」をぜひ一度お読みください。

最後に〜指導と対応のポイント〜

今月の記事はいかがでしたか?

「無理して食べなくてもいい」を強調することで「残せばOK」ということが、子どもの心に残ってしまうのは不本意ですし、給食指導も「難しい」と感じることが多くなると思います。

ですから大切なのは「食べることにも、その子の特性・ペース・得意不得意などがあり、それぞれが少しずつステップアップしていくことが大切」ということを、普段からお伝えしていくことです。

その上で「みんなで食べることは楽しいことだ」と、子どもの心に残るような給食時間を作っていきましょう。

「こんなテーマを取り上げて欲しい!」というような要望は、きゅうけんマガジンにお寄せください!!あなたからのリクエストも、お待ちしております!!

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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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