毎月、先生や我が子の給食に悩む保護者のための給食指導に関する情報を、分かりやすく1枚のイラスト付きの図解資料にまとめ、文章でも詳しくお届けします。
資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料としてご活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下にあります。)
今月は、食べない子への指導の前に、事前に職員間でも共有しておきたい、事前知識と心構えをわかりやすくまとめました。
今月のイラスト付き資料のDLはこちらから
※Vol.44「食べない子を指導する時に大切な事前知識と心構え」はこちらから保存・ダウンロード!
先生としても「食べない子にどうしたらいいか」等は、なかなか学ぶ機会が少ないものです。
給食指導はつい“自分の過去の体験“をベースに指導をしてしまいがちになりますが、行き過ぎた指導になってしまうと、事故やトラブルを引き起こすこともあります。
今月号では、食べない子を指導する時の大切な事前知識や心構えをコンパクトにまとめました。
行き過ぎた指導を防ぐ!6つの知識や心構え
以下より、もう少し詳しく解説していきます。
無理に食べさせることはNG、事故の原因にも
苦手なものを無理に食べさせると、トラウマや、事故に繋がることがあります。なぜなら、苦手で食べないのは「わがまま」で済まされないケースがあるからです。
たとえば、口腔機能の問題で、食べられるものが少ないという場合、無理に食べさせると誤嚥や窒息などの死亡事故につながる可能性もあります。
また、行きすぎた指導で「給食が怖い」となってしまうと、食欲も低下します。
食べない子にとっても「給食時間を安心して過ごせること」が、食を広げる土台として、何より大切です。
「ひと口食べる」は、思っているよりもハードルが高い
「ひと口は食べてみたら?」と提案をすることが多いのではないでしょうか?
ですが、もしかしたらその子にとって「ひと口」はハードルが高いかもしれません。
苦手なものは、まずはにおいを嗅いでみる、ぺろっとしてみる、ごく少量を提案するなど、ハードルを下げた提案をしてみましょう。
こちらは「【図解】食べない子になんて声をかけたらいい?」でも詳しく解説していますので、ぜひ一度読んでみてください。
用意するのは大人、食べる選択をするのは子ども
献立を考えたり、調理をするのは大人です。
一方で、最終的に食べる食べないの選択をするのは、子どもが決めることです。
食べることは強制できないことです。
食べないのは、わがままではなく、理由があると考える。
食べないのはわがままと考えてしまうと、適切な対応や指導が出来なくなってしまいます。「どんな理由で食べないのか」を考えるようにしましょう。
以下が、主な食べない代表的な3つの理由です。
さらに「こちらの食べない理由が見つかるフローチャート&チェックリスト」を活用すると、食べられない理由を見つけやすくなります。
残食は食べられない理由を見つける大切なヒント
残したことを怒っても、食べられない理由があるので、すぐに食べられるわけではありません。
むしろ残食は、食べられない理由を見つけるヒントになります。
たとえば、以下のようなものの残食があれば「口腔機能による問題で食べられないのかもしれない」などと、ヒントにつなげることができます。
一概に「残す子はダメ」としても、根本的な解決にはなりません。
誤嚥や窒息事故への対応については事前共有、いつでも確認できるように
気をつけていても、誤嚥や窒息の事故が起きる可能性はゼロではありません。
緊急時の対応については、事前共有を怠らないこと、いつでも確認できるようにしておきましょう。
『【図解】子どもが食事を喉に詰まったときの対応や予防』では、すぐに対応について確認できる資料を数枚作っているので、掲示しておくのもオススメです。
最後に
今回の資料は、初めて給食指導にあたる新任の先生や、食べない子を受け持つ担任の先生などに共有するのがオススメです。
普段の研修会などで「食べない子にどうしたらいいか」と悩んでいる担任の先生が多いことから、栄養士の先生や、管理職の先生が積極的に、この資料を共有していただくと、助かる場合が多いと思います。ぜひ、ご活用ください!
これまでの資料は「きゅうけんマガジン」から一括でダウンロードできますので、他にも良い資料がないか、確認してみてくださいね。
▼合わせて読みたい