【図解】空腹なのに緊張して給食が食べられない理由【2023年5月】

きゅうけんサムネイル 月刊イラスト付き資料

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今回は「給食が食べられないことに時期的な問題が絡むこと」についてを取り上げました。

本文でもお伝えしますが「空腹でも緊張状態にあると食欲が無くなる」ということがありますので、ぜひ知っておいてほしい内容です。

以下よりお読みください。

  • 時期によって給食が食べられなくなることがある
  • 空腹だから食欲が起きるわけではない
  • 安心できる環境を作る3つの視点を解説

給食が食べられない時期的な問題

きゅうけん資料28.子どもの食欲には時期的な波がある

「子どもの食欲には時期的な波がある」のPDFはこちらから保存・ダウンロード

給食を食べることに不安がある子の場合は特に、時期(タイミング)によって食欲が大きく変わります。

新年度や長期の休み明けなどの環境が変わるタイミングでは、一時的に食べられなくなることが多いです。

※上の図はあくまで傾向で、個人差があります。

ついこの間まで食べていても、時期やタイミングが理由で給食が食べられないことがあるので、知っておくだけでも冷静に対応できるようになります。

「食欲の公式」を理解しよう

食欲の公式の図
時期的な問題で食べられていない場合は、過剰な心配をしないことも大切です。

「慣れたらきっとまた食べられるようになる」という明るい未来を想像しながら、その子にとって安心して食べられる環境を作ってあげましょう。

加えて「緊張で食事も喉を通らない…」ということがあるように「空腹だから食欲が湧いて食べられるわけではない」という事も知っておきたいところです。

身体の機能的な面からも、緊張している(交感神経が優位な)状態だと、嚥下に関わる機能が低下して食べ物が飲み込みにくくなったり、消化器官の働きも悪くなります。

緊張を取り除くには?

緊張を感じている子には「安心できる環境」を作っていくことが大切です。

研修会でよくお伝えしているのは「”3つの間”から不安や苦痛を取り除く」ということです。

3つの間から苦痛を取り除く2(図解)

(1)時間…「早く食べるなきゃいけない」、「食べる時間が短すぎる」、「いつまでも食べさせられる(居残り)」などを取り除く等。

((2)空間…「完食しなければいけないというルール」を取り除く、「安心して落ち着いて食べられる食空間」を作る等。

((3)仲間…一緒に食べるお友達に(主に食べられていないことを)責められない、先生などの周りの大人がプレッシャーを与えない等。

このような観点から、安心できる環境を作り上げると、少しずつ食べられることが増えていきます。

最後に

今月の記事はいかがでしたか?

関連する内容で以前「クラスに約4人も?給食が「かなり苦手」な子どもの心境」という給食が苦手な子にインタビューして、実際にどう思っているか」をまとめた記事を作成しました。

給食が苦手な子の1日の心境の変化

その時には、上記のような1日の心境の変化を感じるとのことでした。

子どもの頃に「給食は楽しみだった」という人にとっては、なかなか想像が及ばないと思いますがが、給食を食べられない子がいたときに今回の記事を思い出していただき、対応のヒントにしていただければ幸いです。

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本記事の担当編集者
山口 健太

『月刊給食指導研修資料|きゅうけん』 編集長
株式会社日本教育資料 代表取締役
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事

岩手県盛岡市出身。学生時に「会食恐怖症」を発症し、他人と食事ができなくなった経験を持つ。その中で「食べられない」ことへの適切な対応や支援が、子どもたちと関わる教育者に広まっていないことを痛感。メディア「月刊給食指導研修資料|きゅうけん」を立ち上げ「楽しく食べることが、社会の幸せを作る」という思いで活動している。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)ほか数冊。

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