毎月、先生や我が子の給食に悩む保護者のための給食指導に関する情報を、分かりやすく1枚のイラスト付きの図解資料にまとめ、文章でも詳しくお届けします。
資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料としてご活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下にあります。)
今回は「給食が食べられないことに時期的な問題が絡むこと」についてを取り上げました。
本文でもお伝えしますが「空腹でも緊張状態にあると食欲が無くなる」ということがありますので、ぜひ知っておいてほしい内容です。
以下よりお読みください。
- 時期によって給食が食べられなくなることがある
- 空腹だから食欲が起きるわけではない
- 安心できる環境を作る3つの視点を解説
給食が食べられない時期的な問題
※「子どもの食欲には時期的な波がある」のPDFはこちらから保存・ダウンロード
給食を食べることに不安がある子の場合は特に、時期(タイミング)によって食欲が大きく変わります。
新年度や長期の休み明けなどの環境が変わるタイミングでは、一時的に食べられなくなることが多いです。
※上の図はあくまで傾向で、個人差があります。
ついこの間まで食べていても、時期やタイミングが理由で給食が食べられないことがあるので、知っておくだけでも冷静に対応できるようになります。
「食欲の公式」を理解しよう
時期的な問題で食べられていない場合は、過剰な心配をしないことも大切です。
「慣れたらきっとまた食べられるようになる」という明るい未来を想像しながら、その子にとって安心して食べられる環境を作ってあげましょう。
加えて「緊張で食事も喉を通らない…」ということがあるように「空腹だから食欲が湧いて食べられるわけではない」という事も知っておきたいところです。
身体の機能的な面からも、緊張している(交感神経が優位な)状態だと、嚥下に関わる機能が低下して食べ物が飲み込みにくくなったり、消化器官の働きも悪くなります。
緊張を取り除くには?
緊張を感じている子には「安心できる環境」を作っていくことが大切です。
研修会でよくお伝えしているのは「”3つの間”から不安や苦痛を取り除く」ということです。
(1)時間…「早く食べるなきゃいけない」、「食べる時間が短すぎる」、「いつまでも食べさせられる(居残り)」などを取り除く等。
((2)空間…「完食しなければいけないというルール」を取り除く、「安心して落ち着いて食べられる食空間」を作る等。
((3)仲間…一緒に食べるお友達に(主に食べられていないことを)責められない、先生などの周りの大人がプレッシャーを与えない等。
このような観点から、安心できる環境を作り上げると、少しずつ食べられることが増えていきます。
最後に
今月の記事はいかがでしたか?
関連する内容で以前「クラスに約4人も?給食が「かなり苦手」な子どもの心境」という「給食が苦手な子にインタビューして、実際にどう思っているか」をまとめた記事を作成しました。
その時には、上記のような1日の心境の変化を感じるとのことでした。
子どもの頃に「給食は楽しみだった」という人にとっては、なかなか想像が及ばないと思いますがが、給食を食べられない子がいたときに今回の記事を思い出していただき、対応のヒントにしていただければ幸いです。
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