毎月、先生や我が子の給食に悩む保護者のための給食指導に関する情報を、分かりやすく1枚のイラスト付きの図解資料にまとめ、文章でも詳しくお届けします。
資料はご自由に印刷していただいて構いません。小中学校・保育所での給食指導、クラス担任を持つ先生へ配布する資料としてご活用できます。職員室内・職員会議にて、全職員に回覧していただくことで、組織全体の業務改善・トラブル回避にもつながります。(資料のダウンロードリンクは目次のすぐ下にあります。)
今月は、読者さんからの要望もあり、「給食指導の改善ポイントに気づける、11の重要項目をチェックする確認リスト」を作成しました。
保育所や小中学校の給食、どちらにも共通して使える内容ですので、ぜひご活用ください。
給食指導の改善ポイントに気づける!確認リスト
※Vol.45「給食指導の改善ポイントに気づける!確認リスト」はこちらから保存・ダウンロード!
いつも行われている給食指導が、無意識のうちに子どもたちに負担をかけてしまうことがあります。
今回の資料では、給食指導をより良いものにするためのヒントをお届けします。子どもたちが安心して楽しい給食時間を過ごせるよう、ぜひこのリストをご活用ください。
以下より「リストの各項目と補足解説」と「おすすめの活用シーンの紹介」です。
リストの各項目と補足解説
今回は大きな項目として
- 行き過ぎた完食指導を防ぐ
- その子の性質やペースを尊重した指導
- 職員間での情報共有
- 保護者との連携
という4つのカテゴリーがあります。
以下より、それぞれの項目の補足解説していきます。
行き過ぎた完食指導を防ぐ
□完食が第一優先の指導は、子どもにプレッシャーを与え、食欲を減退させる可能性があること理解している。
□残食が出ることを理由に「他のクラスメイトに迷惑がかかる」などとプレッシャーをかけることは、給食を嫌いになる原因となるため、避けるべきであると理解している。
□“居残り給食”によるストレスを防ぎ、子どもがリラックスして給食に向き合えるような環境づくりに努めている。
A.子どもにしっかり食べてもらうことはもちろん大切ですが、無理に食べさせることが逆効果になる場合もあります。例えば、無理強いをすると、食事が苦痛に感じられたり、食べ物に拒否反応が生じてしまうことがあります。その子のペースや個性を尊重し、楽しく食事をする経験を積むことが、長期的には健康を育み、食の幅を広げる大切なサポートになります。
その子の性質やペースを尊重した指導
□偏食傾向のある子どもには、苦手な食べ物をひと口勧めることもハードルが高い場合があり、においをかいでみる、ごく少量だけ試してみるなど、段階的なアプローチが大切であることを理解している。
□子どもの食を広げるためには、個々の食べられる量、好き嫌い、ペースを把握し、それらを踏まえた上で指導することが重要であると理解している。
□食には個人差があるため、食べられる量や好みについて他の子どもと比較し、責めるような発言は避けるべきであることを理解している。
以下、気になるものがあればぜひ読んでみてください。
Vol.3 子どもが給食を食べられない3つの理由
Vol.5 食べない子になんて声をかけたらいい?
Vol.42 今と昔の好き嫌い偏食への対応の違い
職員間での情報共有
□職員間で給食指導に関する情報を共有し、指導方法に統一感を持たせることで、担任ごとの違いを減らし、子どもたちが安心して給食を楽しめる環境づくりを大切にしている。
□子どものアレルギーに関する情報を正確かつ適切に共有できている。
□誤嚥や窒息などの事故が起きた場合に備え、対応方法を事前に共有するなど、すぐに対応できる体制を整えている。
保護者との連携
□食に関する問題への対応には、保護者との連携が不可欠であることを理解し、情報共有の機会を積極的に取っている。
□保護者とのやりとりで得た情報や意見を、可能な範囲で給食指導に活かす工夫をしている。
これらはよくある要望と対応についてですが、保護者との連携については「【保育園/小学校の給食】保護者から多い要望と対応&伝えるポイント」の記事を参考にしてください。
おすすめの活用シーンの紹介
今回の資料をどのように活用すると良いか、おすすめの活用シーンを以下に紹介します。
- 職員会議や園内・校内研修での共有ツールとして使用
- 日常業務の自己チェックツールとして利用
- 保護者向けの説明会や通信での活用
- 問題発生時の見直しツールとして活用
- 計画の立案や見直しに活用
職員会議や園内・校内研修での共有ツールとして使用
・会議や研修で「給食指導を見直す機会」として活用し、職員間で改善ポイントを話し合う材料として使用。
・「全員でリストを確認しながら、自園や自校の現状を振り返る時間を設ける」ことで、統一した指導方針の確立につなげる。
・チェックリストをベースに、模擬事例や具体的な改善策を加えてディスカッション形式で学びを深める使い方も可能。
日常業務の自己チェックツールとして利用
・担任や給食担当の職員が、日々の指導を振り返るために個別に使用。
・「半年に一度、リストを確認して自己評価をする」などもオススメ。
・給食時にトラブルや課題が発生した場合に、チェックリストを元に改善点を洗い出す。
保護者向けの説明会や通信での活用
・保護者に給食指導の方針を説明する際の資料として使用。
・「どのような点に注意して給食指導を行っているのか」を可視化し、園や学校での取り組みへの理解を深めてもらう。
問題発生時の見直しツールとして活用
・トラブルや問題が発生した場合に、チェックリストを元に改善点を洗い出す。
・「どの項目が問題に関係しているのか」を職員間で分析し、具体的な解決策を話し合う。
計画の立案や見直しに活用
・給食指導に関する年間計画を立てる際に参考資料として使用する。
・「次年度に重点的に取り組むべき項目」をチェックリストから抽出し、具体的な計画に反映する。
ぜひ、参考にして活用してみてくださいね。
最後に
いかがでしたか?
今回の記事は「給食場面における不適切な保育を防ぐようなチェックリストを作成して欲しい」という読者さんの要望から、アイディアや枠を広げる形で作成しました。
今月のチェックリストで現状を確認し、先月配信した「行き過ぎた給食指導を防ぐ!6つの心構えと事前共有」を確認するなど、併せてお使いいただけると、より相乗効果があると思います。ぜひご活用ください。
そして、今回が12月号ということで、本記事が、今年最後の配信となります。2024年は資料集を作成したり、ゲスト講師を招いての公開研修会を開催するなど、きゅうけんにとってもより活動が広がる1年となりました。
2025年は、記事の配信だけに留まらず、新講座の開講、イベントの開催、公開研修会の複数開催など企画しております。そのようなイベント関連のお知らせは「きゅうけんマガジン」でのみ配信しておりますので、ご興味がある方は登録してください。
それでは、2024年もありがとうございました。
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